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コンジュの梨ジャム ─#02「ふたりの歌姫とガラスの灯と一服の珈琲」より─


マキナタの収穫祭で、エントリーもしていないのに歌姫に選ばれたミコチ。それを面白く思わないのは、同票で選ばれ、自分の声に絶大な自信を持つ吟遊詩人のコンジュ。

一度は辞退を考えたものの、ミコチはハクメイに諭されて参加することに。しかし一方のコンジュは練習熱心がたたって風邪をひいてしまいます。

 

そんな彼女にミコチが差し出したのが、収穫祭の名物でもある「梨ジャム」。夢品商店のアナグマさんが作るこのジャムは、ミコチも手伝いに駆り出されるほどの人気商品。

梨はのどにいいとされる果物。ミコチのさりげない優しさに、かたくなだったコンジュの心もほだされ、収穫祭の「2人の歌姫」の舞台は大成功をおさめたのでした。

しかしジャムは市販品にもさまざまな種類がありますが、梨のジャムとは! しかも洋梨ではなく、和梨のようです。あのショリショリした食感とみずみずしさは、ジャムにするとどんな味になるんでしょう。
今回は梨と同じく、のどにいいとされるはちみつも足してみることにしました。

 


材料
・梨 大1個(小~中なら2個)
・グラニュー糖 皮をむいた梨の重量の30%
・はちみつ 皮をむいた梨の重量の20%
・レモン汁 適量
・リンゴ(王林、シナノゴールドなど外皮が黄色いもの) 1個

作り方



1.梨は新高、にっこり梨などサイズの大きいを使うと、こびとのクッキング感が出て楽しいです。皮をむいてくし形に切って重さを量り、半分は角切りにし、もう半分はすりおろします(鬼おろしなどで、粗くすりおろすのがおすすめ)。
2.梨の重さの30%分のグラニュー糖、20%分のはちみつを梨にまぶし、1時間ほど置きます。

3.梨はジャムのとろみとなるペクチンの含有量が少ないので、リンゴからとれるペクチンで補います。リンゴの芯と皮をひたひたの水(分量外)とレモン汁で煮て、柔らかくなったら火を止めてザルで漉します。

4.梨から水分が出たら強火にかけ、沸騰したら中火にしてアクをとり、途中でレモン汁を加えて10分ほど煮ます。3のリンゴ液を100ccほど加えてさらに10~15分ほど煮詰めて火を止めます。冷めたら、煮沸消毒したビンにつめて完成。

完成



梨らしいすっきりした甘さと歯ごたえが残るジャムは、新鮮なおいしさです。はちみつの風味も残って、風邪をひいたのどにはぴったり。

ミコチがコンジュにジャムを渡すときに「まだ浅いけど……」と言うセリフがありますが、これを読むまで私はジャムが「熟成」するものだと知りませんでした。作りたても美味しいけれど、数日後はとろみが増し、甘さもこなれて味わい深くなります。

パンやヨーグルトと一緒に食べたり、そのまま白ワインのアテにも◎。






レシピをつくったひと:梅本ゆうこ
1979年大阪府生まれ、関東在住。
普段は会社員兼主婦。好きな食べ物は梅干、ビール、いちごのショートケーキ。
マンガの好みは雑食。2012年2月にリトルモアより書籍「マンガ食堂」出版。

マンガ食堂公式サイト:http://mangashokudo.net/