
汽車のなかで食べたいなり弁ときゅうりサンドとスープとビールと揚げ山芋 ─#11「夜越しの汽車 と 雨とテンカラ」より─

カノカン湖で朝釣りするため、夜越し汽車に乗ったハクメイとミコチ。架空の世界の汽車が、まるで身近な存在のように感じられる緻密な描写もすごいですが、何よりたまらないのは、道中で楽しむさまざまな食べ物のシーン。
出発間もなく、食堂車に朝ご飯の弁当を買いに行く2人。店の前でどの弁当にするかあーだこーだと迷っている間に、ハリネズミのおじさんが先に注文したのが揚げ山芋とビール。
揚げたての揚げ山芋をシャクシャクとつまみながら去るおじさんの姿を見て、たまらず2人もこれを注文。フライドポテトならぬ揚げ山芋って……! と読んでる側もここで胃袋わしづかみされます。
座席で並んで食べながら、お互いのお弁当を交換するやりとりもほほえましい。
揚げ山芋
材料

・コロモ(以下の材料をボウルで混ぜておく)
・小麦粉 80g
・コーンスターチ 大さじ2
・卵 1個
・ビール 50cc
・塩 小さじ1/2
・サラダ油 適量
・塩 適量
作り方


1.長芋は洗って皮をむき、縦長の乱切りにして薄く小麦粉(分量外)を振っておきます。


2.コロモにくぐらせ、180度の油で揚げます。コロモがキツネ色になる程度にさっと揚げ、熱いうちに塩を振って完成。
きゅうりサンド
材料

・白ワインビネガー 適量
・塩コショウ 適量
・食パン 4枚切り
・バター 適量
・マヨネーズ 適量
・ディジョンマスタード 適量
作り方


1.今回はこびとのミニチュアな世界観を出すために、食材を巨大化させます。加賀野菜として知られる、巨大な「加賀太きゅうり」がイメージにぴったり(手に入らなければ普通のきゅうりでOK)。
薄切りにして塩コショウをし、白ワインビネガーを振っておきます。
(あとで気づいたのですが、加賀太きゅうりは皮にかなり苦みがあるので、皮を数か所タテに剥いたほうがよさそうです)


2.食パンも、こびとさんの手に余る大きさを出すため、4枚切りを使います。
2枚セットで、1枚にはバター、もう1枚にはマヨネーズとディジョンマスタードをぬります。
2枚セットで、1枚にはバター、もう1枚にはマヨネーズとディジョンマスタードをぬります。


3.きゅうりの薄切りをてんこ盛りにのせ、もう1枚の食パンではさんでラップをし、しばらくなじませてから切ります。
いなり弁

なるべくビジュアル通りを心掛けたものの、特に変わった品はないので作り方は割愛します。
助六以外でおいなりさんが入った弁当って意外にないから、こういうお惣菜と組み合わせた商品が実在したらいいなー、と思ってしまった。
完成



流行りの豪華列車は別にして、庶民的な食堂車って日本ではほぼ廃れてしまったので、こういう光景が懐かしくて、うらやましい。やっぱり「車内で買い食いする」楽しみは特別、だとあらためて思います。

1979年大阪府生まれ、関東在住。
普段は会社員兼主婦。好きな食べ物は梅干、ビール、いちごのショートケーキ。
マンガの好みは雑食。2012年2月にリトルモアより書籍「マンガ食堂」出版。
マンガ食堂公式サイト:http://mangashokudo.net/